相続の後見人がいない方の遺言書

いつも相続サポートSUNXブログをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。
山﨑です。
今日明日5月16(土)17(日)と上田市あきんどホールにて「第51回上田市民お住まいフェスティバル」を開催しています。

相続セミナーも両日10時から開催していますが、本日は「相続の後見人がいない場合はどうすればいいのか」というご相談を頂きましたので、ご紹介させていただきます。

身寄りがない方(法定相続人がいない、または疎遠な方)や、信頼して財産を託せる「後見人」が身近にいない方にとって、遺言書を作成しておくことは非常に重要です。

もし遺言書がない場合、遺された財産は最終的に国庫(国のもの)に帰属することになります。「お世話になった人に財産を譲りたい」「特定の団体に寄付(遺贈)したい」という強い思いがあっても、遺言書がなければその願いは叶わないのです。

後見人がいない方が遺言書を遺す際のポイントと、確実に思いを届けるためのステップを分かりやすく解説致します。


1. 最も重要なのは「遺言執行者」を決めておくこと

遺言書に「〇〇に財産を譲る」と書いてあっても、あなたが亡くなった後にその内容を実際に実行(手続き)してくれる人がいなければ意味がありません。この役割を「遺言執行者(いごんしっこうしゃ)」といいます。

後見人や身寄りがいない場合は、信頼できる第三者や専門家を遺言執行者に指定しましょう。

  • 専門家に依頼する(強く推奨): 弁護士、司法書士、信託銀行など。専門的な手続き(預貯金の解約、不動産の名義変更、寄付の手続きなど)を確実に行ってもらえます(※遺言執行時の報酬が発生します)。
  • 財産を譲る相手(受遺者)を指定する:

例えば「友人の〇〇に財産を譲る。遺言執行者にも〇〇を指定する」という形も法律上は可能です。ただし、その友人が手続きに不慣れな場合、負担をかけてしまうデメリットがあります。


2. おすすめは「公正証書遺言」の一択

遺言書にはいくつか種類がありますが、身寄りのない方の場合は「公正証書遺言」を作ることを強くおすすめします。

遺言の種類メリットデメリット(リスク)
自筆証書遺言

(自分で書く)
・費用がかからない

・いつでも書ける
・書き方の不備で無効になるリスク

・死後に発見されない、または破棄されるリスク

・家庭裁判所での「検認」手続きが必要で手間がかかる
公正証書遺言

(公証役場で作る)
・公証人が作るので確実(無効にならない)

・原本が公証役場に保管されるため紛失・偽造の心配がない

・死後の手続きがスムーズ(検認不要)
・作成時に費用がかかる

・証人が2人必要(専門家に依頼すれば手配してくれます)

身近に手続きを引っ張ってくれる家族がいないからこそ、法律的に100%安全で、死後の身内の負担が最も少ない「公正証書遺言」にすべきです。


3. 財産の行き先(遺贈・寄付)を決める

誰に財産を遺したいかを明確に記載します。

  • お世話になった個人に譲る場合:

「内縁のパートナー」「看病してくれた友人」「いとこ」など、法定相続人ではない人にも自由に財産を遺せます。

  • 団体に寄付する場合(遺贈寄付):

「大学」「医療機関」「NPO法人」「地方自治体(ふるさと納税など)」など。

⚠️ 注意点: 団体によっては「現金しか受け付けない(不動産はNG)」「特定の条件付きの寄付は拒否する」というケースがあります。事前にその団体へ「遺贈の受け入れが可能か」を問い合わせておく必要があります。


4. 遺言書だけでは足りない「生前・死後」の対策

遺言書は「亡くなった後の財産の行き先」を決めるものですが、後見人がいない場合、「生きている間の認知症対策」「亡くなった直後の葬儀・片付け」もセットで考えておく必要があります。

遺言書と一緒に、以下の契約を専門家と結んでおくと完璧です。

  1. 任意後見契約(にんいこうけんけいやく)
    • タイミング: 生前(認知症になったとき)
    • 内容: 将来、自分の判断力が低下したときに、代わりに財産管理や介護の手続きをしてくれる人(後見人)を、元気なうちに自分で指名しておく契約。
  2. 死後事務委任契約(しごじむいにんけいやく)
    • タイミング: 死後すぐ
    • 内容: 自分が亡くなった直後の「遺体の引き取り」「葬儀・納骨」「お墓の管理」「賃貸マンションの解約・遺品整理」「電気・ガスの解約」などを代行してもらう契約(※これらは遺言執行者の仕事の範囲外であることが多いため、この契約が必要です)。

まとめ:何から始めればいい?

まずは、相続の専門家の無料相談を利用してみることをおすすめします。

「身寄りがなく、後見人もいないので、公正証書遺言の作成と、死後の手続き(遺言執行・死後事務)をお願いしたい」と伝えれば、あなたの財産状況や希望に合わせた最適なプランを提案してくれます。

早めに準備を整えておくことで、これからの人生を安心して自分らしく過ごすことができます。

少しでも、気になる事がございましたら、お気軽にご相談ください。

関連グループ企業リフォームワン株式会社
ONEエステート
グループホームこころ

この記事を書いた人

山﨑 昇

山﨑 昇

1975年長野県上田市生まれ。
塗装職人としてキャリアをスタートし、24歳でリフォームワン株式会社を創業。以来、新築・不動産・リノベーションを通じて、地域のお客様と“生涯のお付き合い”を築いてきました。さらに、障がい者グループ
ホーム「こころ」を立ち上げ、住まいや暮らしを支える事業を拡大。
全ての根底にあるのは「人のお役に立つ人でありたい」という一貫した想いです。お客様や地域の方々と関わる中で、「相続」という問題が
人生の終盤に立ちはだかる現実を多く目にしてきました。
親の相続問題に直面した経験もあり、相続の不安を“生きているうちに解決できる仕組み”が必要だと痛感。私は相続を「終わりの話」では
なく「これからの生き方のデザイン」としてとらえています。
これまで培った建築・不動産・福祉・経営の経験を生かし、あなたの
心の中の不安を安心に変えるための相続のお手伝いをいたします。
「あなたに会えて良かった。ありがとう」と言っていただけること――
それが、私の最高の報酬です。

【趣味】
オリジナルバンド活動(ボーカル)
ギター(アコースティック・ソロ活動)

【保有資格】
相続診断士
長野県相続診断士会 会長